再集結

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再集結

「…ふふ、そう、ラジオ聞いたよ。うん…うん…あはは、うん、私は面白かったよ。私は…ね?…ふふ、あははは。…あ、そっか、明日シカゴに戻るんだもんね?…うん…うん…そう、私も明日から新学期。…ふふ、じゃあまた今度帰ってきたら会おうね。…ふふ、うん、美保子さんも気を付けて。…うん、じゃあお休みなさい」 ツー、ツー… さて…と。 と、私は学習机の前に座っていたのだが、その場で手にスマホを持ったまま大きく伸びをした。 その流れでふと壁の時計を見ると、そろそろ夜の十一時になるところだった。 今日は四月の第二日曜日。自室だ。 もう察しておられると思うが、今私は寝る前にふと、明日に美保子が戻る事を思い出し、こちらから電話をかけたのだった。毎度の事だが、美保子は日本滞在中ずっと百合子の部屋に寝泊まりしていた。今回もそうだ。会話をしながら、美保子の声の向こうから時折百合子の微笑みが聞こえてきていた。 美保子が言うのには、明日は百合子が車で成田まで送ってくれるらしい。私も半分冗談ではあったが、自分も見送りに行きたい的な話をしたりしたのだった。 私は点けていたテーブルの灯りを消すと椅子を引いて立ち上がり、また大きく両腕を天井に向けて伸ばしつつベッドの上に座った。 そして、掛けていたメガネをサイドテーブルに置いた。黒縁のウェリントンだ。 それからリモコンで部屋の灯りを消すのと同時に、サイドテーブルの上の間接照明を点けてから横になり、それから寝る体勢に入るのだった。 …と、このまま流すのはいけないかも知れない。何せ、いくら自然に済ましたつもりでも、どうしたって不自然さが残ってしまってるからだ。まぁ…大した話でもないし、簡単に片してしまうとしよう。 …そう、見ての通り、とうとう私もメガネデビューと相成った。今日からだ。 まだ自分では普段の生活の中で裸眼でも特段不便は感じていなかったのだが、それでも視力が段々と落ちてきているのは健康診断などで明らかだった…のは、いつだったか簡単に触れた通りだ。あとは時期、時間があるか無いか程度の問題だった。 そして今日。今日は日曜日だったのだが、お母さん、それに…絵里、そして私合わせた三人で、絵里の御用達の銀座にある眼鏡屋まで一緒に買いに行ったのだ。 そう、例の、義一の誕生日プレゼントというので、毎年一緒に買いに行ってるというあの店だ。
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