サプライズ・アタック

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「じゃ、お茶淹れるから。ちょっと待っててね」 「は~い」  そして彼女は、「先に食べてるね~」なんて行儀知らずなことをしない人だ。  お茶を淹れている間にサプライズがバレる、なんてタイミングを外した事態には決してならない。  ヤカンを火にかけながら、背中越しに彼女の様子を伺うが、怪しまれている様子はない。  「今回はうまくいきそうだ」。コンロの火を見つめながら、僕は一人ほくそ笑んでいた――。 「お、この香り……アールグレイだね!」 「ご明答。この店のレアチーズは、アールグレイとよく合うからね」  二人分の紅茶を淹れて、僕もようやくこたつに落ち着く。 「じゃ、いただきま~す!」 「はい、いただきます」  二人で行儀よく手を合わせ「いただきます」をして、ドーム型のレアチーズケーキを食べ始める。  カプセルは誤飲防止の為に、少し大きめになっているから、食べ始めればすぐに気付くはずだけど――。
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