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「えぇ? 六年生にもびっくりだけど、眼鏡で一括りじゃなくて、もしかして眼鏡の中にもジャンルがあるの?」
「らしいです。知的でクールな眼鏡とか、茶髪で遊び人のお洒落眼鏡とか、優し気な穏和眼鏡とか色々あるそうで。僕は興味ないのでよくわからないんですが」
「お兄さんなんか、おみくんと似てるね。こだわり強そうなところが」
外見が似ていると言われたことは一度もなかったが、そういうところは確かに似ているのかも知れない。
そのこだわりの強い兄がある日、僕に伊達眼鏡を差し出して、かけてみてと言ってきた。
なに言ってんだコイツと思いながら、小学四年の僕は、外見はもっと上だった気がするが、渋々眼鏡をかけてやった。
兄は、すごい似合うと言って、満面の笑みを見せた。
その後、眼鏡をかけないとつれなくされて、かけるとなぜか物凄く懐かれて、最近までそれなりに仲良くやってきた。
そして先日、家に彼氏とやらを連れてきた。
クールで眼鏡な大人の男に超萌えると言っていたのに、クールでも眼鏡でもない、兄より一つ年下の人だった。
その彼は、初対面で恋人だと披露されるとは思っていなかったようで、そして僕が弟だということがすぐに理解できなかったらしく、やや戸惑っていた。
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