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『知らない』なんて嘘だ。
理奈が政親の彼女なのは知っていた。
政親本人から言われた。
「僕、新しい彼女できたんだ。安達理奈って知ってるでしょ?」
「学校一美少女と言われている子か?」
「そう。その子」
「お前いつまで千夏を放置するんだよ。いい加減千夏の気持ちにも応えてやれよ」
「それは無理」
「どうして!」
「千夏は幼馴染だから。僕の中でそれ以上にも以下にもならない」
政親の中で千夏はただの幼馴染であって、特別視はしないと分かった以上、俺も本気を出すことにした。
千夏を壊す。
それが千夏を手に入れるための一番手っ取り早い方法だった。
だから政親がデートで大通りを歩くことを知っていて、わざと千夏に政親と理奈のデートを目撃させた。
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