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俺は千夏の後を追った。
千夏の部屋に入ると、千夏は真っ青な顔のまま薄暗い部屋の床に呆然と座っていた。
「千夏?」
「薄々気付いてはいたよ?彼女になれないんじゃないかって…」
「俺が余計なこと言ったから…」
「修一のせいじゃないよ」
「でも…」
「はっきり言ってもらえてよかった…はぁ…もう生きていたくないなぁ…」
そう言う千夏の手にカッターが握りしめられていた。
「千夏、これは危ないから離そうな?」
そっと千夏の手を握り、カッターを奪い取った。
「もう死にたいの…死なせて?」
「それはできないよ」
俺は力いっぱい千夏を抱きしめた。
これでもかっていうくらい、息をするのが苦しいくらい抱きしめた。
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