2人が本棚に入れています
本棚に追加
昇降口に向かう階段を降りながら千夏が政親に話しかけた。
「今日、どこ行く?」
「今日は真っ直ぐ帰ってテスト勉強だぞ」
「そんなのあとでやればいいじゃん」
「次赤点取ったら留年なのはどこの誰?」
「…あたし。だって勉強嫌いなんだもん」
「僕が教えてやるから」
「政親が教えてくれるなら勉強する。うちでやろうよ」
「秀一はどうする?」
「俺は遠慮しとくよ。用事あるし」
「そっか。残念だな」
千夏が政親に勉強を教わっている様子を見ていなきゃいけないなんて、どんな拷問よりも辛い。
そんな場所に一緒にいたくなかった。
最初のコメントを投稿しよう!