六章 仕立て屋と衣装決め

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   『魔方陣魔法の応用とその対策について』という書物は、魔方陣魔法を実際に組み立てるための教本であり、また敵が新規の魔方陣魔方陣を使用して攻撃を仕掛けてきた際の対策を講じている本でもある。  この書物に付け加え、『術式辞典』も用意されているということは、すなわち、授業で何らかの魔方陣魔法を実際に構築するということだろう。  ニアン学園の授業の難易度は他の学園や学校とは比べ物にならないと聞いていたが、まさか魔方陣の構築まで授業で行うとは思っていなかった。 「……この本は確かに難しいですね」  リューティスが独力で魔方陣魔法の勉強を行っていたときに使用していた本のうちの一冊ではあるが、その中でも難しい部類の本である。  しかしながら、この本は魔方陣魔法の構築に必要な知識がほとんど網羅されており、この一冊さえ理解できれば簡単な魔方陣魔法ならば構築できるようになるのだ。だからこそ、この本が教科書になっているのだろう。  リューティスはしばし考えて“ボックス”を開いた。中から取り出したのは、リューティスが独学で魔方陣魔法を学んでいたときに使用していた本のうち、比較的わかりやすかった本だ。 「……こちらを。僕が使用していたもので申し訳ありませんが」  ユリアスはぱっと笑みを浮かべてそれを受け取った。 「ありがとございます! えっと、この本は?」 「そちらの本よりも大分わかりやすく書かれている本なのですが、この本にはそちらの本の内容がすべて書かれておりませんので、内容が理解できましたらそちらの本で勉強し直す必要があります」 .
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