六章 仕立て屋と衣装決め

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   ユリアスは本の頁をそっとめくった。リューティスが長年使用した本であるため、少々傷んでいるが、まだまだ問題なく読めるだろう。 「……図説が多いんですね」 「はい」  この本はそれなりに分厚いのだが、文章量は然程ではない。それほど図説が多いのである。 「少々使い古しておりますが、よろしければ差し上げます」 「本当ですか!?」  ユリアスはとても嬉しそうに笑った。 「ありがとうございます」  顔に熱が集まるのを感じながら、本を抱き締めた彼女のまぶしい笑顔から視線を反らした。 .
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