八章 招待状

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  「え? レイト君となおちゃんですか?」  驚いた様子でリューティスの視線の先を見るユリアスであるが、当然、その姿は見えない。 「ここからでは見えませんよ」 「そうですか。あっちにいるんですよね?」  ユリアスは手でリューティスが視線を向けた方を示した。 「はい」 「じゃあ探しに行こう?」  組まれたままの腕を引かれて、歩き出す。人混みの中であるため、真っすぐ前に進むのは困難で、右に流され左に流され、どうにか前に進んでいくが、徐々に進行方向がそれていく。 「……ユリ、もう少し左です」 「こっち?」 「はい」  時折、リューティスが方向を修正しながら、進むこと数分。不意に人混みの隙間にレイトの姿が見えた。 「──レイト」  リューティスは声を上げたが、周囲が騒がしいために彼は全くこちらの声に気が付かない。 「なおちゃん! レイト君!」  ユリアスが声を張り上げると、レイトはぱっとこちらを見た。人混みの隙間からレイトと目が合う。彼は大きく目を見開いた。 「リュース! ……ユリもか!!」  レイトはこちらに近づいてきた。その後ろにいた有舞の姿がようやく見える。 「え、ユリ? リュースも」  いつもよりも可愛らしく着飾った有舞が、目を見開いた。 「逢引き?」 「……レイトこそ」  レイトに訊ねられて目を背ける。 .
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