八章 招待状

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  「レイト君なら大丈夫ですよ。お父様も有名な冒険者だから」 「とうちゃんね……。勝てる気がしないけど」  レイトの父親はギルド“月の光”二番隊の副隊長だ。勿論、相応の実力の持ち主である。 「その前にアークに勝てなきゃ無理よ」 「そうなんだよなぁ」  アークことアーク・レオンは、リューティスたちの友人の一人であり、大規模ギルド“暗夜の憂鬱”の隊員だ。 「最近戦ってないんだよな」 「そうね……。去年の戦闘学は対魔物が主だったし」 「今年は戦えるかな」 「対人戦もやるって聞いてるし、組手もやるでしょ」  レイトと有舞の会話を聞いていると、クインネーが注文した品を手にしてやってきた。テーブルに静かに並べられる。珈琲と紅茶のいい香りが漂う。  代金を支払い、リューティスは早速アップルティーを口にした。甘い芳香に思わす頬を緩める。 「おいしい?」 「……はい」  レモンティーを口にしたユリアスに訊ねられて、リューティスは素直に頷いた。 「仲いいわね」 「仲いいな」  有舞とレイトに言われて、リューティスは無言で目をそらした。  それからしばらくレイトたちの談笑を聞きながら、紅茶とケーキを楽しんだ。 「──そういや、有舞、ほんとに一般兵士団に入るのか?」  レイトの言葉を聞いて、リューティスは驚いて顔を上げ、有舞に視線を向けた。有舞は気だるげにレイトを見返す。 .
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