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「あ、あの、リュースさん」
「はい」
リアムに声をかけられて、視線を彼の方に向ける。
「いろいろと聞いてもいいですか?」
「……答えられることでしたら構いません」
リアムはぱっと笑みを浮かべた。それからしばらくの間、リアムの質問に答え続けた。
「AAAランクってどんな依頼があるんですか?」
「……そうですね、上級中位から上級上位魔物の討伐依頼や危険地帯での採集依頼がほとんどです」
リューティスがAAAランク依頼を受けることはあまりない。それは、リューティスの本来のランクがAAAランクよりも遥かに上であり、ギルド“月の光”からの任務のほとんどは本来のランク相応の依頼であるからだ。時折、表向きのランク相応の依頼も指名依頼として回ってくることもあるが、そう頻繁ではない。
旅の途中の街や村では、AAAランクに分類される高難易度の依頼など滅多にないため、受けることはほとんどない。
だが、冒険者ギルドを取りまとめる組織である世界政府に所属しているリューティスは、それぞれのランクにどのような依頼があるのかくらいは、当然ながら把握している。
「上級魔物……。おれ、まだ中級下位魔物も……」
リアムは言葉を濁した。
今回の護衛依頼に同行している商会契約の冒険者は、CランクとDランクが一人ずつだ。つまり、リアムとアズリーのどちらかがCランクで、どちらかがDランクなのである。顔立ちも仕草もよく似ている彼らであるが、おそらくはアズリーの方がCランク、リアムがDランクであろう。身のこなしや護衛をしている様子から、アズリーの方が強いのだということはわかっていた。
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