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リューティスは首を横に振った。どうせ時間を潰さねばならなかったのだ。
「評価の方は適当に書かせていただきます。少し早いですが、……ありがとうございました」
「いえ、こちらこそありがとうございました」
リューティスは彼に左手を差し出した。彼はぱっと笑顔を咲かせて、その手を握った。
彼に別れを告げて、訓練部屋を後にする。記憶を頼りに、地下から一階に上がり、受付の奥の扉から出た。
「っ……お疲れ様です」
リューティスに気が付いた受付嬢が話しかけてきた。時刻は午後三時前。ギルドの受付が空いている時間である。
「実技試験の結果は明日の朝にわかります。こちらにいらしてください」
「わかりました。ありがとうございます」
「お疲れさまでした」
深々と一礼する受付嬢に会釈を返し、リューティスはギルドを後にした。
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