十七章 実地試験

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  「では、隊長は二日ほどこちらにいらっしゃるのですね?」 「そうなります」  隊員はにやりと笑った。その様子に首を傾げると、隊員は笑いながら教えてくれた。 「副隊長、試験の間は隊長と一緒にいられると嬉しそうにしていましたが、隊長はお一人でこちらにいらしたので」  リューティスはきょとんとした。 「……そもそも、なぜローザンが昇格試験の試験官をなさっていたのですか」 「そりゃ、自分から名乗り出たからですよ。他にもやりたがった者はいましたが、副隊長が実力で試験官の座をもぎ取りました」  益々疑問が深まる。ローザンはなぜ試験官などという面倒な仕事を引き受けたのだろうか。 「副隊長、隊長のこと、大好きですからねー」 「……別段、ローザンに好かれるようなことをした記憶はありませんが」 「困惑しないで差し上げてください。ローザンが泣きますよ」  リューティスは眉尻を下げた。 「さて、後一時間ほどしたら、全体の訓練を行うことになっております。参加していただけるのですね?」 「……はい」  リューティスは頷く。勿論、そのつもりで来たのだ。 「ありがとうございます。それまではどうなさいますか?」 「自主鍛錬を行っております。時間になりましたらお声かけください」 「了解いたしました」  リューティスは敬礼をする彼に対して敬礼を返し、訓練部屋の空いているところへと移動して、鍛錬を始めたのだった。 .
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