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「では、隊長は二日ほどこちらにいらっしゃるのですね?」
「そうなります」
隊員はにやりと笑った。その様子に首を傾げると、隊員は笑いながら教えてくれた。
「副隊長、試験の間は隊長と一緒にいられると嬉しそうにしていましたが、隊長はお一人でこちらにいらしたので」
リューティスはきょとんとした。
「……そもそも、なぜローザンが昇格試験の試験官をなさっていたのですか」
「そりゃ、自分から名乗り出たからですよ。他にもやりたがった者はいましたが、副隊長が実力で試験官の座をもぎ取りました」
益々疑問が深まる。ローザンはなぜ試験官などという面倒な仕事を引き受けたのだろうか。
「副隊長、隊長のこと、大好きですからねー」
「……別段、ローザンに好かれるようなことをした記憶はありませんが」
「困惑しないで差し上げてください。ローザンが泣きますよ」
リューティスは眉尻を下げた。
「さて、後一時間ほどしたら、全体の訓練を行うことになっております。参加していただけるのですね?」
「……はい」
リューティスは頷く。勿論、そのつもりで来たのだ。
「ありがとうございます。それまではどうなさいますか?」
「自主鍛錬を行っております。時間になりましたらお声かけください」
「了解いたしました」
リューティスは敬礼をする彼に対して敬礼を返し、訓練部屋の空いているところへと移動して、鍛錬を始めたのだった。
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