十七章 実地試験

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   ギルドの一階には、依頼掲示板の他に、チーム・パーティー募集版と情報掲示板がある。昇格試験の結果が貼りだされるのは、当然ながら情報掲示板である。それも、貼りだされるのはこの街のギルドだけではない。世界中のギルドで一定期間の間、貼りだされるのだ。 「また、合格の場合、その場で口頭での結果発表を行い、同時に二つ名の公表も行われます。そして、そのまま宴が開かれることになります」  ここが一般的な街であったら、その街を含む辺り一帯の領主によるパーティーが大々的に開かれることになる。だが、この街は中央の国にありながら中央の国に所属していないギルド都市であるため、パーティーは開かれず、代わりにギルドによる宴が開かれることになるのだ。 「……わかりました」  目立つのは好きではないが、こればかりは仕方がない。伝統のようなもので、回避することはできないのだ。 「以上です。何かご質問はありますでしょうか?」 「……ありません」 「では、これでSランク昇格試験を終わりといたします。お疲れさまでした」 「ありがとうございました」  リューティスは礼を告げて一礼をし、その場を後にしたのだった。 .
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