四章 婚約と

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   アクスレイド公爵家の屋敷に戻ると、一足早くクレーネーが帰っていた。その近くには友人たちの魔力がある。 「お帰りなさい!」  クレーネーに玄関で出迎えられて驚いていると、レイトが笑いだす。 「何驚いてんだよ。それよりも」  レイトはリューティスの左手とユリアスの左手を見ると、柔らかく笑った。 「婚約おめでとう」 「……ありがとう」  頬に熱が集まるのを感じつつ、リューティスはふわりと笑った。 「幸せそうだな」 「しょうがないさ」  呆れた様子で肩をすくめたアークとあきれ顔のリリスから目をそらす。 「ようやくかって言いたいところだけど、リュースにしては頑張った方ね」 「そうだろうな」  有舞の言葉にアンドリューがうなずく。それは情けないが的確な評価であり、否定できない。 「師匠、おめでと」 「……ありがとうございます」  眩しいほどに邪気のないクレーネーの笑みはあまりに眩しくて、目をそらした。 「あ、あの……ユリアスさま、おめでとうございます」 「ありがとう」  クレーネーはついでユリアスにもおずおずと祝いの言葉を送った。ユリアスは嬉しそうに笑う。そんな二人の様子を横目に、友人たちに視線を向け直した。 「クレーネーのこと、ありがとう」 「いや、結構楽しかった」 「クレーネー、強いんだな。さすがリュースの弟子だ」  リューティスは安堵した。リューティスとユリアスを二人きりにすべく動いてくれた彼らだったが、クレーネーが迷惑をかけていないかと心配していたのだ。レイトとアークの様子を見た限り、彼らは彼らで楽しんでいたようだ。 「というかリュース、やっぱり両刃の剣も使えたんだな」  アークに聞かれてリューティスは首を傾げた。 .
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