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「俺、一応騎士だよ」
「……あぁ、忘れてた。確かにあれ、軍の騎士の剣術と同じだったわ」
納得した様子の彼に苦笑する。彼らにとって、リューティスは総帝という立場につく冒険者という印象が強いのだろう。しかし、それでもリューティスは中央の国軍に所属する騎士である。
「クレーネーには騎士団が正式に採用している剣術を教えてるから……」
「リュースが両刃の剣扱えるって認識が全くなかったから意外すぎてな」
「そうかな」
「お前が両刃の剣使うところなんて誰も見たことない」
リューティスは笑った。その通りだ。リューティスは彼らの前で両刃の剣を手にした記憶はない。
「そうだね」
「魔導書なら使ってるところ何回も見てたんだけどな」
レイトに言われてさらに苦笑する。学園に通っていた頃のことを思い出し、なつかしさを感じた。
「……懐かしいね」
「あぁ、確かに」
アークが少し笑って同意した。
「何のお話をしてるんですか?」
クレーネーと会話を続けていたユリアスがこちらに歩み寄ってきた。彼女に腕を掴まれて赤面していると、そのまま腕を引かれ、屋敷の中へと導かれた。
そのまま連れていかれたのは、客間の一つだった。
客間の中では侍女が待機しており、リューティスたちが中に入ると、手慣れた様子で紅茶を人数分用意してくれた。
「ありがとう。さがりなさい」
ユリアスに声をかけられて、侍女は深々と一礼して退室していった。
「師匠の弟って、ニアン学園なの?」
その直後、隣に座ったクレーネーに訊ねられて、目を丸くした。
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