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「本当に、ちゃんと食事をとるのよ。ダイエットとか言って食事を抜くのなら部屋での食事は許可できないからね」
「大丈夫です。食は生活の基本だと父から教えこまれていますから」
「そう。素敵なお父様ね。アンヌも今日はメアリと食べるのね?アンヌも毎日?」
「いえっ、そんな!メアリに毎日ごちそうになるわけにはいかないので、普段は食堂で頂きます」
「オーケー。今度私にも食べさせてね?」
寮長のベス先輩は茶目っ気たっぷりにウィンクして許可を出してくれた。
お友達との食事なんて、初めてだ。
「アンヌは好きなものや苦手な食材はある?」
「ピーマンがちょっと苦手、かな?」
「わかった。じゃあピーマン無しの料理を作るね」
メアリは手早く調理できる料理を頭の中で思い浮かべながら、部屋着に着替えてエプロンをつけると、調理を始めた。
結論から言うと、アンヌとの食事はすごく楽しかった。
家族で食べる食事ももちろん楽しいけど、友達との食事はそれとは別。
「私、アンヌが声をかけてくれてよかった。ずっと、友達が欲しかったの」
「私も、平民だから友達できるか不安で……メアリに声をかけてよかった。
ナントカ子爵のご子息からかばってくれてありがとう」
「うー………」
「メアリ?」
「アンヌ、大好き!」
「うん、私も!」
食事を終えてお茶を飲み終えると、アンヌは部屋へ戻っていった。
メアリは早速両親に友達ができたと手紙を書いた。
その晩は、興奮して眠れなかった。
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