初めての授業

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翌日は早起きして、3人分のお弁当を作った。 それぞれ袋に詰めて、学園の講義に必要な教科書や筆記用具をカバンに詰めて、寮を出る。 アンヌは先に行ったのか、まだ部屋にいるのか、寮から学園までの間には会わなかった。 教室に入ると、アンヌが真剣な顔で教科書を読んでいる。 きっと、予習してるんだろう。 「アンヌ。おはよう」 「あっ、メアリ。おはよう」 「おはよう、二人とも早いね」 イワンもやって来て声をかけてくる。 「それを言うなら、イワンだって早いじゃない」 「初めての講義だし、やっぱり緊張してね」 「あー、わかるわかる」 3人で教科書を広げて、1頁目から目を通していく。 最初の単元は、医師としての心構え。 身分差に関わらず、必要とあれば己の医術を駆使して助けなければいけない。 また、己の力を過信せず、常に勉強を続けること。 そんな感じのことが書いてある。 正直、当たり前すぎてちょっと拍子抜け。 でも、昨日絡んできたような貴族の中には、身分の低い患者を診たがらない人もいるんだろう。 次の単元は、体の仕組みについて。 筋肉と骨、脂肪、神経、腱、臓器、血液他体液によって構成されている。 見開きのページには人体解剖図が載っている。 それに合わせて、臓器の種類などの解説。
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