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「なあ倉科、お前5組の渡辺と付き合ってんの?」
「ええっ? 違うよ、真さんはただの友達!」
「5組では完全にそうなってるよ」
「ええ……全然そういうのじゃないのに……」
「そうだったんだ……今付き合ってる人とかも居ないの?」
「居ないよー! 早く良い人見つけたいっ!」
「……じゃあ、うちのクラスの噂、収めとくよ」
「えー助かるー! 佐々木君ってホント優しいよね。ありがとう」
「いやいや、友達として当然のことをしたまでだよ」
本当は倉科の気持ちを知りたいだけだったのだけど。
今日も俺は嘘をつく。
君に少しでも好かれるため。
「なあ佐々木、お前里菜ちゃんと付き合ったって、あれマジなの?」
「ああ、マジだよ」
「良かったじゃん、おめでとう」
「おう、直も話聞いてくれてサンキュな」
本当は、……
今日も俺は嘘をつく。
ーーこの嘘を、本当にするため。
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