傭兵団

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エルマン団長はルジェク上等兵にローゼンハイム大佐を救出したいことを話しだした。ルジェク上等兵も陽動作戦の内容、捕まった場所を話した。 「何故、ローゼンハイム大佐を助けてくれるのですか?」 「昔にいろいろあってね。それのお礼だよ。」 「ヴェルトは報酬分の仕事を頼む。俺は100人連れて救出に向かう。」 4月24日 エルマン団長、ルジェク上等兵、傭兵100人はローゼンハイム大佐の救出に出発した。 バイジャン砦北側の平原では帝国軍クリメント大佐が率いる槍騎兵隊1万が共和国軍の背後から奇襲をかけ大打撃を与えていた。 「クリメント大佐、次の敵が来ました。」 「突撃陣形。」 「敵、横陣です。」 「素人か。突撃。」 横陣も共和国軍の意図するものであった。騎馬の強みである機動力を削ぐために何重にも兵を配置していた。攻撃を受けなかった部隊が新たな陣形を組、騎馬隊の動きを封じ込める作戦である。本来であれば壕と柵で防ぐのだが、後方から奇襲で準備もできず。兵士を柵の代わりに使い帝国軍に反撃に出たのは用兵家として名高いグルス・クワン大佐であった。
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