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「ドナーは知らないだろうけど、市枝はどうなのかな・・確か、東三千子と一緒にNYに行ったんだよね。行って、ルーナ王女とあったことがあるんじゃないの?」
「はっきりした記憶があるわけじゃないわ、ほんとにブツブツに途切れた心もとないものでしかないのだけど」
「それでも、今ではもう少しはっきりと思い出せているはずだべ?」
「ええ、それが、なに?ルーナ王女は、とてもきれいな人だったけど・・」
「そのときに、聞かなかったか?サイボーグ戦士ベガの話を」
「うわさは聞いたかも。でも、確か、わたしが三千子さんとNYに来たときには、もう、行方不明になっていたはず・・違ったかしら」
「まあ、そうなんだけど」
「そのサイボーグ戦士ベガが、何か」
「あの隕石雨の持つ”場”が、空間を曲げて、彼をはるばるアンドロメダ星雲から一瞬でこの地球に運んできたのさ。ベガとルーナ王女は元の世界に戻れたけど、ほかの人たちは、そのままこの異次元世界にはじき出されたしまったのだべ」
「じゃあ、そのときルーナ王女の随行だった人たちや乗客は?」
「今も、異次元世界の中をどこかで漂流しているようだね」
「そんな、67年の出来事だったら、あれからもう10年以上になるから、みんな、亡くなって」
「そうともいえないんよ、ドナー。どこにいるかわからないけど、この異次元世界は、時間が無い世界だから、うまく捕まえられれば、まだみんな生きているかも」
「そうなんだ・・」
「どうしたら、その人たちをここに呼べるのかしら」
「え、そんなこと、不可能だろう、市枝。この世界は、本当に地球の上のどこか以上に広い、まるで宇宙空間を漂っているようなもののはずだから」「
でも、異次元世界を未来永劫漂流するなんて、かわいそう過ぎるでしょう?どうなの、ラチル」
「しかし・・」
「呼んでみるべか?」
「呼ぶ?呼んだら来るなんて、犬じゃあるまいし」
「でも、何事も、やってみないとわからないべ」
「呼んだら帰ってくる可能性があるのね、ラチル」
「正直、わからないけど、クロノスやマ王たちにも手伝ってもらえばいい。ドナー、テレパシーでクロノスたちに連絡してよ」
「・・・もしかして、そのために、僕はここに来た、とか」
「やっと、わかったかい、ドナー。このアークの力を使えば、行方不明の遭難したDC-8を呼び戻せるかもしれないんよ」
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