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「とりあえず、何か、やってみましょうよ。きっと、これにも、何か意味があると思うの、ねえ、ドナー、お願いよ。クロノスたちに協力してもらって頂戴」
「ああ、わかった・・・・了解、協力するって」
DC-8は、無人だ。ドナーたち乗員は、この幻魔世界にせよ、亜空間世界にせよ分散したのだから当然なのだが。
「この飛行機に、あの東丈先生が乗っていたのね。どこに座っていたのかしら」
「市枝はジョウを知らないのか?」
「その・・面識はないわ。東先生が自分で自分の使命に目覚めて、救世主の仕事を始められるまで、無理に関わってその目覚めの邪魔をしてはいけないって、みんな、散々、大角先生に釘を刺されていたから」
「そうなんだ」
「でも、東先生は超常現象研究家としてもそれなりに有名な方だから、著書のサイン会とかに、ちゃっかり読者としていっていたりしたのよ。戻ってくると”握手してもらった”って、きゃいきゃいいってね」
「なんか、楽しそう」
「そうね。なんか、CRAって、小さな教団のはずなんだけど、教団というより、同窓会みたいなものだったわ。幻魔が攻めてきたときには、みんな、臨戦態勢で東丈先生の下にはせ参じられるように超能力を磨こうってのが目的だったはずなんだけど、そんな殺気だった感じは、まったくなくてね、”これでいいのかな”って子もいたけど、大角先生も”これでいいのだ”って殺気だったところは、全然なかったの」
「なんか、楽しそう」
「そうよ、楽しかったわ」
「ウチとはずいぶんと違いそう」
「幻魔”さたん”の教団なんだから、しかたないでしょうね」
「みんな、さたん様の寵愛を受けようと必死だったわ。バージョンアップして、るしふぇる様になって、ちょっと替わったかもしれないけど、ちょっとだけ、だったわ。超能力を必死に磨いて、最後は、相手を超能力で殺すことで、褒められて教団の幹部になれるの」
「もしかしてそれって・・幻魔世界でマ王がやっていたことと同じ?」
「そうだべ、ドナー。結局、魔物のやることにそんな違いはないんだわサ。みんなで憎みあって、殺しあって、ただ魔物の親玉の認めるやつだけが上にのし上がって、ほかはその踏み台にされて、殺され、肥やしにされる」
「あまり、和気藹々として、弱い超能力じゃ、太陽の戦士も何もあったものじゃないけど」
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