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ぐううう・・・
機首の向きを変えたDC-8の機体がきしんだ。異次元空間の中で、エンジンが炎を吹き上げる。しかし、逃げられない。
「引き寄せられてる~」
「あの時、あの遭難のとき、ルーナ王女は改めてアンドロメダ星雲のフロイと意識コンタクトをとったんだべ。でも、それを予知して妨害しようとした幻魔が、隕石雨で攻撃したんだ。アンドロメダ星雲での大宇宙海戦で破壊された宇宙戦艦の残骸を使って。その中に、そこに、あのサイボーグ戦士ベガもいたのだけど」
「それって、まさか・・」
「そう、まさか、だと思うけど」
「アンドロメダと、この地球の間に”四次元回廊”があるってこと?」
「そう、そして、その四次元回廊を使って、幻魔の尖兵がこの世界にやってきたの」
「ごめん、ぜんぜん、話が見えないのだけど」
「要するに、今、僕たちはアンドロメダ星雲とつながるトンネルに吸い寄せられているんだ」
「え・・それ、だめでしょ」
「そうなんだけど、これは一種、蟻地獄にはまったようなものなんだ」
「げろげろ~どうして、クロノスたちは、そんな物騒なものがあるか教えてくれなかったのよ」
「きっと、あることは、知っていたけど、こんなに大きな穴ぽこだとは知らなかったんだべ」
「で・・・そんなのにはまったら、どうなっちゃうのよ、ラチル」
「最悪、アンドロメダまで飛ぶことになるかもよ」
「マジすか」
「マジす」
「これは、ただの飛行機。もし、宇宙のまん中にでも放り出されたら、瞬く間に僕たち、窒息死しちゃうぞ」
「わ~いやだ~そんなの。どうして、そんな穴をふさがないでほうっておいたのよ」
「そんなの、わかるわけないべ」
「もしかしたら、アンドロメダに攻めていくときのためにとか」
「そんな、何百年先の話になるかわからない話しを・・」
「この空間には、時間は関係ないから」
「それでも、言っていいかな」
「?」
「バカヤロ~~~~」
「わ~~~~助けて~」
「神様~~~、吸い込まれる~」
「祈りを、光のエネルギーを」
「でも、ここには念動力者はいない」
「そんなこと、いわないの、ドナー。じゃあ、今から、念動力者になってよ」
「そんな、人間、器用にはなれない」
「だったら、なりなさい、このままじゃ、みんな、死んじゃうよ~東丈先生、助けてください~~」
その瞬間だった。
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