0人が本棚に入れています
本棚に追加
どん!
「・・・?遅くなった?」
「どういうこと」
「わからん・・いや、誰かが、飛行機のうしろに、いる・・?」
「後ろ・・こいつ、無人だったのじゃ?」
「だから、そうよ、この機体の外に。そして、この蟻地獄から押し出そうとしてくれているんだべ」
「そんなことがあるのか」
「まさか、東丈先生?」
「かな・・いや、違う、誰だ、あなたは・・ベガ?アンドロメダのサイボーグ戦士、ベガ?」
「どうして、ベガがここに・・?」
「そうか・・”僕たちのこの世界”でもアンドロメダからベガが送り込まれようとしていたんだ。でも、ルーナ王女が、隕石雨を予知して避けたために、彼はこの四次元世界に取り残されてしまっていたんだ」
「ん、なんだべ、あれは」
「え」
「あれだ、あれ」
「あ、あれは、DC-8じゃないか」
「あたしたちが探していた?」
「たぶんそうだよ」
「こっちに流れてきていないか?」
「そうよ、これは、これは、ぶつかる」
「ベガにいって、押すのを止めてもらってよ、ドナー」
「違う、これは」
「なにが違うのよ」
「だから、こっちが衝突軌道にあるんじゃない、向こうが、こっちにぶつかってきているんだ」
「じゃあ、危険なこと、同じじゃないの」
「わ~ぶつかる~~~」
見る見るジェット飛行機の機影が大きくなる。完全な衝突起動だ。
そして・・・
衝撃!
「う~ん・・まいったな」
「なんだ、君たち、ここで何をしている。ここは、操縦席だぞ」
「客席に戻っていなさい。ここは、危険だ。今、われわれは隕石雨による不慮の乱気流に巻き込まれ・・・あれ」
「あれ、なんか、変ですね、機長」
「ゆれがおさまって」
「それどころか、ここは、どこだ?いつの間に、不時着している???」
「本当だ、いつの間にか、戻ってる」
「あ、君たち、まだいるのか、居座るつもりなら、危険分子として強制的に」
「ライアン機長、本機は、全機能が停止しています」
「いつのまに」
「とにかく、異常事態が、おこったんです機長」ドナーが言った。
「うぬ・・」
「今、このDC-8は、着陸しています。たぶん、みなさんの手では、あらたに離陸することは困難だと思います」
「たしかに、その青年の言うとおり、ウンともスンともいいません。電源そのものが失われている可能性があります」
「いったい、何が起こったのやら。説明してもらえるかな・・君?名前は?」
最初のコメントを投稿しよう!