もふもふのレイチェル

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「ドナー、ジョージ・ドナーといいます。説明はしたいと思いますが、きっと理解できないと思います。とにかく、ここにいてもし方ありませんから、この機体を離れてください」 「しかし」 「ああ、皆さんが休める場所、きちんとありますから、それは安心してください」 「はあ」 「姫様、姫様、やあ、何が起こったのじゃ、機長、姫が、ルーナ姫が、どこにも居られんのじゃ」  いきなり客席からの扉を開けて、禿頭、白ひげのツルのような紳士が血相を変えて顔を出した。 「む・・・」  操縦席にいた、あきらかに民間人の三人組に、その老人は明らかに面食らって、言葉を切った。  ほんの数瞬前の大騒ぎが不思議なほど静まっていたからだ。その状況の変化に、あらためて、今頃になって気がついたのだ。 「もしかして、ルーナ王女のおつきの方ですか、ご老人」 「そうじゃ、レム侍従長である」頑固そうな老人が言った。 「とにかく、異常事態が起こりました、だから、落ち着いてください」 「これを落ち着いていられるか、お若いの」 「でも、落ち着いても、あわてても、こうなっては、おんなじだべ、おじいさん」 「いったい、何が起こったのじゃ」 「みんな、死んじゃったんだべ」 「え・・死んだ?」 「そうだべ、ここは、あの世なんだ」 「なんと、ここは、死後の世界だというのか、そういえば、静かじゃな。それに、そうそう、先ほど、姫様は、寝ぼけたのか、この飛行機が落ちると叫ばれて居ったが。それは、お得意の予言だったのかよ。しかし、そうなると、ここは、天国かいな、地獄かいな。とほほほほほ、わしらは死んでしまったのかいな」 「ラチル」 「でも、そういったほうが、普通の人にはわかりやすいべ」 「そうかもしれないけど」 「落ち着いてください。みなさんは、亡くなったわけではありませんが、しかし、トラブルによってここにたどり着いてしまったのです」 「とにかく、ここにいつまでいても、しかたないべ。ここは、安全な場所だから、とにかく、外に出るだよ、大丈夫だから」 「僕たちは、そのために、皆さんに話しをしに来たのです」 「なんちうか、国際救助隊サン*-バードだな」 「ああ・・うむ・・しかし、姫さまは」 「無事です。無事に、別の方法で脱出されていますから、そこは安心してください」 「本当か、本当に、姫様はご無事なのか、ご無事なのか、ドナーどの」
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