もふもふのレイチェル

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 亜人種といえば、差別になるのだろうか。繰り返しになるが、とにかく、後ろ足で立ち、それなりに手先も器用なウサギ人間の少女、人間の少女とは違い、歩くぬいぐるみという印象しかなく、それはいわゆるの性愛的恋・・それは、健康な男性には不可避的な心情というものだろう・・の成立しようがないゆえに、彼は、安心してラチルを愛することが出来たのである。 「信じられない。今はそうではないにしても、幻魔さたんの教団も、邪悪な人間の集まりだったはずだ。君のようなまともな女の子が耐えられる場所じゃない」 「ごめんなさい、ドナー、悪魔は天使のふりもできるンよ」 「え・・じゃあ」 「ええ、わたしは、あなたたちを騙し、あの神聖戦士軍の基地に誘導するためのスパイだったン。そういってはなんだけど、ソル王女やクロノスは、わたしを怪しんでいたようだけど、ドナー、あなたは、何も考えず、私を信じ、好意を持ってくれたべ」 「そんな、まさか・・」ドナーは、衝撃に目を見開き口をあんぐりと開けるしかなかった。「僕は、君にだまされていたのか。僕を、幻魔なんかにするために」 「あなたが、怒り狂い、光を見失って、神仏を恨み、真理に背を向ければ、その怒りのゆえにあなたは”こんなことなら幻魔になってしまおう”と考えてしまうはずと・・その読みは、ある程度、当たったんだわさ」 「・・それは、認める」 「でも、あたしは、そんなあなたを見たくなかったンよ」 「え・・」 「それは、あたしでも、つらかった。あなたは、本当に、何も知らずに、心からラチルのことを心配し、愛してくれたのだから。そんなあんたを、幻魔にするなんて、それは、悪魔でもしてはいけないことだと、思えたんだべ、本当だべ、信じてくんろ、とはいえ無いけど」 「だから、あいつらは、半分はあいつらの邪悪な趣味でもあったのだけど、言葉に出来ない惨い方法でラチルを殺して、あんたの心を壊すことをにしたんだべ」 「ううむ・・・それは」 「人によるべな。あの大連盟のサイボーグ戦士ベガは、幻魔大王の軍に恋人のアリエータを殺されて、怒りくるって幻魔になることを選ぶのではなく、絶望して、自責の念で心を閉ざして永遠の眠りを望むようになってしまったわけで。大方の幻魔の読みは外れてしまったンよ」 「ベガ・・誰だ、それは。大連盟?サイボーグ戦士、そんなの始めて聞いた」
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