春嵐の誉れ

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 そんな先生、普段は車出勤だ。  雨が降って困るような状況なんかじゃないはずだけど。  駐車場までの道すがら、雨に濡れたくないのだろうか。  私は傘を持っている。  お気に入りの藍色をした折りたたみ傘を、きちんとバッグに忍ばせている。  これはこれは。  ひょっとしてひょっとすると。 (相合い傘チャーンス!)  私はキラーンと目を光らせ、この好機を逃してなるものかと先生に近づいた。
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