愛の夢

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 わたしは「そうそう」と答えながらも、腕も何も……と内心で苦笑いした。  三十路過ぎて、結婚目前にして相手に逃げられてしまった、世に言う〝こじらせ女〟に、もはや盲目に恋に邁進する気力なんてない。  この時は、そんな風にしか思えなかったわけだけど――。
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