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フォームはちゃんと出来てるのに手から離れたボールは奇跡的な回転がかかるのか、レーンで信じられない軌道を描く。
肩を震わせるわたしをむくれ顔のオラオラ系坊やアオ君が見つめてる。
「シラフでボーリングはした事ないんだよっ」
ドカッとベンチに腰を下ろしたアオ君にお腹を抱えて笑いを堪えながらわたしは「ハイハイ」と言った。
そうだ、アオ君は、遊びを存分に謳歌する二十代をずっとドイツで過ごしたのか。
ドイツのボーリング、ケーゲルンは、大抵はお酒の席の延長に、遊びとして興じるもので、遊びでありながらもゲームとして半ば真剣に勝負をする、という日本のボーリングにドイツ人は驚くという。
「アオ君は車だから、コーヒーで我慢して」
「わかってる!」
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