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右手の指をボールの穴に入れ、左手て支えて顔の前に持っていく。ピンが待ち受けるレーンの先を見つめた、すうっと息を吸った。
集中は得意だ。ボールを持った腕を後方に振り上げて足を踏み出し、力いっぱい押し出すように手を離す。
ガーターすれすれのコースを勢いよく滑って行ったボールは、あらかじめかけておいた回転がピン前で生きて、カーブを描いた。整然と並ぶ白いピン達の中に絶妙な角度で食い込むように転がり込んで行ったボールは見事に全倒し。ピン達は軽快な音を立てて転がった。
「よぉっしっ!」
有言実行は気持ちいい。
ガッツポーズするわたしにアオ君は呆れたように頭を掻いた。
「ピアノ弾くヤツってみんなこんなか?」
アオ君、さっきも同じ質問したけど。
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