逃避2

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「早くしろ!」  ひえぇえっ! ぞんざいな言葉そのままに、アオ君はスパルタだった。わたしは言われるがままにほんの半歩前に出た。すると。  ほんの少し前に出ただけなのに!  視界が変わった。そんな気がした。マシンから放たれたボールが見えて、次の瞬間、わたしのバットが今日一番の、飛びっきりの快音を鳴らした。 「おおーっ」  アオ君の歓声を聞きながら、わたしは真っすぐホームランボードに向かって飛んで行った白球を見ていた。  大当たりを祝う(?)電子音のメロディーが鳴って、アオ君が拍手していた。 「すげー身体能力だな。ピアノ弾くヤツってみんなこんなか?」
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