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「早くしろ!」
ひえぇえっ! ぞんざいな言葉そのままに、アオ君はスパルタだった。わたしは言われるがままにほんの半歩前に出た。すると。
ほんの少し前に出ただけなのに!
視界が変わった。そんな気がした。マシンから放たれたボールが見えて、次の瞬間、わたしのバットが今日一番の、飛びっきりの快音を鳴らした。
「おおーっ」
アオ君の歓声を聞きながら、わたしは真っすぐホームランボードに向かって飛んで行った白球を見ていた。
大当たりを祝う(?)電子音のメロディーが鳴って、アオ君が拍手していた。
「すげー身体能力だな。ピアノ弾くヤツってみんなこんなか?」
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