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店長サン、わたしがいつになく積極的な行動に出たと思ったに違いない。わたしを見る目が如実に心の内を語っていた。
わたしは弁解を開始する。
「いえ、あのですね。会ったんですよ、偶然。その、すすきのにあるバッティングセンターで。来たんです、わたしが一人バッティングしてるとこにアオ君が」
日本語覚えたての外人さんみたいな継ぎ接ぎ言葉になってしまった。
分かりやすい説明をするために言葉を選んでいるようにも、ごまかすための言い訳でしどろもどろになっているようにも取られそうな話し方だったけれど、店長サンは確実に後者と受け取ったようだ。
ふーん、とニヤニヤしながら明らかに信じていない表情を向ける店長サンにわたしは、もういいよ、どうとでも想像して、とあきらめのため息を吐いた。
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