第一章 夕暮れ時の衝突

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その女子高生はさっき走り去った子とはクラスメイトではないが同じ学校の同級生、しかも最近「妙な噂」で有名になった子、彼女自身は悪くない、むしろ彼女自身が嫌な思いをしていて、それが学校中で噂になっている。 走る女子高生は時々後ろを振り返っては何かから逃げるようにひたすら走っている、商店街のお店の人が心配して訳を訪ねようとしても、走る彼女の耳には一切入らない。 彼女を遠くから見ていた主婦達はヒソヒソ話を始める、どうやら彼女に関しての「妙な噂」の事だろう、その話をお店の人も一緒になって話し込んでいる。 そして女子高生が商店街の門を左に曲がったその時だった。 ドシンッ!!! 「のわぁ!!!」 「きゃあ!!!」 突然門の死角から二人の女性の声が聞こえた、そして先ほど走っていた女子高生がその場で倒れた、鞄からノートや筆箱が散乱している、どうやらチャックを閉めていないままだったのだろう。 お弁当袋も解けてお弁当箱や箸も地面に落ちてしまう、幸いだったのが周りに水たまりや川がなかった事だろう、そして走っていた女子高生とぶつかったのは、同じく女子高生の女の子。 その子もリュックだったのだがちゃんとチャックはしていた、そして後方に転んだショックをリュックがクッションになって受け止めてくれたのだ。     
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