第二章 招待

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キセキがインターホンを押して、家の中の人に帰って来た事を告げると、門から鍵が外れたような音がする、キセキの話では、最近物騒になっているので、門に遠隔操作型の鍵を付けているらしい。 さらにインターホンには小さな小型隠しカメラが設置してあると、キセキがインターホンの端を指差した、確かにそこには分かりにくいが黒いレンズがある。 チョウが恐る恐る門をくぐると、短い石畳の道の向こうに広く大きな玄関が待っている、横を見ると色鮮やかな花が咲いている庭が見えた。 正直チョウは帰りたい気持ちがあったが、玄関で二人分のスリッパを準備してくれているお手伝いさんを見るとさすがにに引けない、チョウは小声で「・・・お邪魔します」と言って靴を脱いでキッチリと揃える。 そして先に家に上がっていたキセキはお手伝いさんに「救急箱をお願い」と言うと、そのお手伝いさんは玄関からすぐ近くの部屋に入って、薄い黄色の箱を持ってすぐに出て来た。 そして三人は長い廊下を歩き、、「客間」と柱に彫られている隣の部屋の襖を開ける、そこには少し大きめの机と四人分の座布団が置かれていた。 部屋の奥には綺麗な生花と風景画の様な掛け軸、お手伝いさんは部屋の奥にある丸い襖を開けると、そこには玄関で見た庭の全体が見渡せた。     
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