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核心に触れる真実を伝えられなかった事に対する負い目から来るもの?
それとも、もっと他の、別の何か?
心の何処かにまだ〝愛される〟という事に対する疑心があるからかもしれない。
「咲希」
呼ばれてハッと顔を上げた。
「なに?」
「たまに、心が何処かに行ってしまう事があるよな」
ああ、とわたしは苦笑いする。
「それは小さい頃からだから。子供の頃はよく授業中に、幽体離脱するな、って先生に怒られた」
「なんだよそれ」
呆れながらも笑うアオ君はもう一度抱き締めてくれた。
ずっとこのままアオ君と一緒にいられる? 心の中で神様に必死に願う自分がいた。
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