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「は、話が、何万光年も先にすっ飛んでませんか・・・。プロ志向は薄々分かってましたけど、こんな、私じゃあ・・・こないだ初めてボーカルの位置に立って大失敗してきたとこですよ?」
「あれを大失敗にするかしないかは、自分次第でしょう。バンドマンは全員、失敗からスタートしてます」
「いやそりゃそうでしょうけど・・・」
絶句する彼女の表情も仕草も
どことなく愛らしい。
首をかしげて眉間に力を込め、
右手でこめかみ辺りを押さえている。
「すぐに答えは出ませんよね。簡単な事を言ってるつもりはありません。愛がなきゃセックスもないでしょうし」
「・・・なくても可能っちゃ可能です」
「男には不可能なんですよ・・・」
「・・・・・・?」
自覚がないのが困ったものだが
この人はかわいい。
6つも年下の俺すら
そう思ってしまうのに
10才も年上だという旦那さんが
彼女を手放す訳がない。
多分俺は・・・負ける。
書類一枚で成り立っている
単なる制度に。
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