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そこへ壁をそっとノックされ
店員がオーダーを運んできた。
彼女はフルーツがたくさん飾られた
クレープのプレート。
俺はチョコレートパフェ。
絵のように横に広がる世界と
塔のように縦にそびえる世界、
そしてカラフルなフルーツと
漆黒のチョコレートは、
そのまま
俺と彼女の違いであって、
同じなのは、
互いに互いのものも
同様に好きな事。
違うからいけない、
という訳ではないはずだ。
あのクレープのプレートに
チョコレートが加われば
最強の一皿が生まれるのと同じこと。
「今は正直、離婚までは無理だと思います。ただ、もし他のメンバーが見つかって動き出した時に、これだ!っていう確信が芽生えたら、我慢できなくなるでしょうね・・・その時は多分、自然と亀裂が入るでしょうけど」
言葉を選びながら
彼女はその矛盾について
独り言のように呟く。
未来を正確に予想しろ、
というのが無理なのは分かっている。
でも、今の俺は
曖昧な答えが嫌だった。
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