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一平さんとナル先輩に
昨日強く言われたこと・・・
『お前の音楽性に合っていない』
七瀬さんは
生音の中では
極端にシャウターだったのだ。
俺の音楽には基本的に
叫び倒して聴き手を奮起させる曲は
ないのだ。
激しい心の葛藤や闇をテーマにするのは
共通する部分ではあるが、
本来、
メロディと詞で聴かせる正統派。
シャウト等の飛道具よりは
メロディの巧い王道の人が理想なのだ。
それでも俺は七瀬さんに未来を見てしまう。
声量やオーラが今は足りなくても
煽情的な歌声は唯一のものだ。
それを言うと、
一平さんには時間が無さすぎると
渋い顔をされた。
「例えば鈴ちゃん何年やってるか知ってるか?13年だぞ?そんだけやって、やっとステージに足が付いた。今からあの子の成長待ってたら、お前の才能が先に死んじまうよ」
俺はそれから
ずっと葛藤している。
音楽性・・・いや、
エネルギーの違い。
そして家庭を持つ彼女と
まだ自由な自分。
そもそも俺の才能が
東京に出て認められるか怪しいのに
行き急いで無駄足にならないか。
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