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「アオ君、手は?」
わたしはベッドの中で握り合うアオ君の手を見、聞いた。ケガをしていた筈の手には何も巻かれていなかった。
「ああ、この手か」
アオ君はハハと笑いながら左手を、二、三回握ったり開いたりしてみせてくれた。
「今朝まで少し痺れていたけどさ、今はこの通り、もうなんでもない」
「そうなの?」
アオ君の開いた手の平にわたしの手を乗せるとしっかりと握り返された。
「な?」
「ホント……」
冬香さんの『わたしがやり直しておいた』は今朝の話なのか。その後、アオ君が解いたのか。
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