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自信があるのね。
「信じる」
「よし!」と笑ったアオ君の顔を見て、今のわたしにアオ君以外、誰を信じると言うの、と肩を竦めた。
――その時、脳裏を過る影があった。
わたしには今、もう一人、信じようとしている人が? いや、ない。ないから。絶対に。
一瞬浮かんだ考えをわたしは必死に打ち消した。
アオ君は、母の病状を詳しく説明する為にパソコンの操作を始めた。デスクトップ画面が三つ並ぶパソコンのキーボードとマウスを繰って電子カルテを開く。
正面の画面を見ていたアオ君はマウスをクリックして右側の縦長の画面に視線を送った。少ししてその画面に心臓のレントゲン写真が大写しになった。
「これが、咲希の母さんの心臓。それで――」
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