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「とっても、有意義な時間を、過ごせて」
あの後、玲君にはオーディションの話までした。玲君はやはり凄くて、的確なアドバイスまでくれて。
「会えて、話せて、よかった、です」
最後はも尻すぼみにごもごと話したわたしに店長サンは「それはよかった!」とハハハと笑い、サーバーの手入れを再開した。
わたしはカウンターから少し身を乗り出した。
「それはそうと店長サン」
聞きたい事は他の人にあまり聞かれたくない内容の為、声を落とす。
「大人の男女を、いわゆる密室、といっていい場所に二人きりにする事に抵抗はなかったの?」
サーバーのタンクを持ったまま店長サンはわたしを見て目を丸くして、次の瞬間、ワハハッ! と笑った。そのあまりにも快活な笑い声に何故だかこちらが恥ずかしくなる。
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