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「あの、アオ君」
逃げたい、そんな卑怯な自分を封印してわたしは切り出した。
「わたし、今日ね」
何から話したらいいのか分からなかったから、まず今日あった事から話そうとした時、少し離れたところにある窓にパアッと明るい光が映ったのが見えた。
花火だった。
音は聞こえないけれど、ここは少し離れた豊平川の花火がちょうど見える場所にあった。
アオ君と見ようと約束していた花火。まさかこんな……。
「ああ、この辺りは高い建物がないからな。約束通り、咲季と見れたな」
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