プロポーズ【おまけ】

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 せいぜい20代後半、といった目の前の男はとある企業の専属弁護士として玲の事務所が顧問をしている企業を訴えようと訴状を持ってやって来たのだが、告訴など、とんでもなかった。 一蹴で門前払いとなった。 「くそっ」  書類をグシャッと掴んでバッグに突っ込んだ男に玲は冷たく言い放った。 「もう少し勉強なされた方がいい」  いやらしいまでに周りくどい丁寧語は、最大級の皮肉だ。 男はキッと玲を睨んだが、玲の顔にはもう笑みはなかった。 ゾクッと震えて立ち尽くす彼に玲は静かに言った。 「小さな事務所だから勝てないのではありません。 巨大権力に立ち向かう根性があるのなら、もっと多角的にものを吸収する気概を持ってください。 どうせ勝てない、という気持ちは今すぐにでも捨てることです」
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