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玲の言葉は、たった今までムカムカと腹を立てていた男の中にスッと染み入ったようだった。
彼は何も答えはしなかったが、玲に深々と頭を下げて出て行った。
「べ、勉強になりました……」
パラリーガルとして玲の事務所に勤める青年が、目を輝かせて玲に言った。
玲は肩を竦めて苦笑いする。
「どこが、どのように勉強になって、自分はこういった場合どう対処しようと考えたか。明日までに僕に提出」
「えええっ」
いつまで経っても司法試験に受からない者に玲は厳しい。
青年は慌てて自分のパソコンのあるデスクへと飛んでいった。
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