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ちょうど入れ替わりで部屋に入ってきた事務所のパートナー弁護士が笑って見ていた。
「ああ、ちょうどよかった。君に向いていそうな案件が来た。これを頼もうと思っていた」
玲に書類を渡された彼はパラパラと捲って目を通し「わかりました」と頷いた。
それを確認して、玲は「それから」と切り出す。
「僕は、今日はこれで帰るが……後は任せていいか」
「はい、大丈夫です」
その言葉に微かな笑みを浮かべ、玲は壁に掛けてあったコートとマフラーを手に取った。
「手塚先生、お疲れ様です」
「お疲れ様です」
玲は皆に軽く会釈をし、帰って行った。
事務所に勤める者達はみな一斉に、ほう……、とため息を吐く。
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