プロポーズ【おまけ】

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 そう言えば、花を贈ったことはなかった、と玲は、色とりどりの花が並ぶ店先で歩を止めた。  カラフルな切り花の束が華やぐ店内には、この時期の花であるポインセチアやシクラメン、といった鉢植えも並んでいる。 明るいクリスマスソングが流れ、店員と話しながら花を選ぶ客の姿もあった。  花か……。 玲は目を細めた。  ピアニストである彼女はリサイタルの度に多くの花束を貰う。 家に幾つもある大き目の花瓶はいつだってフル稼働だ。  自分があげたところで……と考えたところで玲の中に微かな対抗心が芽生えた。  どんなものなら、彼女をアッと言わせられる?
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