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進むにつれて増える音が曲を盛り上げ、気持ちも高揚する。
二人が奏でる音が重なるのが楽しくて、わたしも玲君も笑いながらちょっと競うように音を鳴らして顔を見合わせた。
音が、止まる。
玲君の弾いていた方へ近づいていたわたしの手が、握られた。
その手がグイッと引き寄せられて、腰を抱かれる。
互いに顔を近づけて、唇を重ねた。
少し長めのキスからゆっくりと唇を離すと、玲君がフッと不敵な笑みを見せた。
「今夜すっぽかされた〝落とし前〟はどう付けてもらおうかな」
「あ」と気まずい顔をしたわたしの顔を両手で挟んだ玲君が、ちょっぴり強引なキスをした。
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