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「んん……」
駄目だ、痺れる――。
わたしは両手を伸ばして玲君の身体を抱きしめた。
玲君の長い指がわたしの耳にそっと触れてわたしは微かに震えてしまう。
溺れる。
力が抜ける。
堕ちてしまう。
しがみつくように玲君のスーツを握った。
絡めていた舌がゆっくりと離れて、最後にそっと唇を離す。
「今夜は〝お仕置き〟と思って帰ってきたんだけど」
クスッと笑った玲君の肩越しに赤いものが見えた。
それは、グランドピアノの譜面台横のランプ台に置かれていた。
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