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「ふーん、智也さんに関係してんのか。アレって」
ズバリと当てられて、玲子は驚いて西を見た。
「わかったわかった。クリーニングが終わったら届けるよ。悪いけどそれは、受け取ってもらえる?」
西は、ジャケットのポケットからタバコを取り出した。
「返品するのもなんだから、お姉さんがもらって」
「でも…」
「もらった後見えないところでどうしようがお姉さんの勝手にしてくれていいから」
タバコをふかす西。
「……わかりました。もらっておきます。わざわざ…すみません」
「いや」
「あの、傷の具合は? 腕の…」
少しだけ、西の切れ長の瞳が大きく見開かれた。
「気になる?」
急にテーブルの方に顔を出してきた西。その速さたるや尋常では無かったので玲子は動く時間も無かった。
目の前に西の顔が来ていた。
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