4人が本棚に入れています
本棚に追加
『旦那様、何が書いて有るのですか?』
下男が主人をのぞき込む
『生贄だと、さよを!どうして結界が破られたのか』
考え込む主人、文(ふみ)をぐしゃぐしゃに破り捨てて
『何も無かった、何も見なかったいいな!』
周りにいた下男、中居に言含めるように叫んだ
ここ20年来なかった白羽の矢、
若い下男や中居達はその意味を知るものは少なかった。
宿屋の主人は自分に言い聞かせていた
(結界がある、妖魔は入って来れないはずだ、
誰かのイタズラじゃ無いのか?
外から矢が飛んで来た?そんな訳が無い、
我が宿屋は街の中心近くにあるんだし期限は2週間後
それを過ぎれば主(ぬし)が帰還されるそれまでだ)
脳内で逃げ口実を繰り広げる主人だった
最初のコメントを投稿しよう!